【祭り】 甲冑姿の武将が駒に。人間将棋はまるで戦国絵巻(山形)
祭り・イベント名:天童桜まつり人間将棋
県名:山形県
エリア名:天童市
将棋の駒の生産量日本一を誇る天童市
日本の将棋駒の生産量の大部分を占めているのが山形県にある天童市。将棋とは2人で行うボードゲームの一種で、そのルーツは古代インドの遊びといわれています。日本に伝えられた時期は定かではありませんが11世紀ごろにはあったようです。天童で将棋駒が作られるようになったきっかけは、武士たちが藩の財政を助けるため、兵法戦術にも通じるとして内職を始めたことからと伝えられています。世界各国に将棋に類する遊びはありますが、このように日本の将棋は独自の発展を遂げてきたのです。
咲き誇る桜の下で行われる人間将棋
天童市の中心部にある舞鶴山は、桜の名所として知られており、毎年春になると約2000本の美しい桜が咲き誇ります。ここの山頂で、春に行われるのが、1956年から始まった「天童桜まつり人間将棋」。桜の花びらが舞い散る中、将棋盤を模した大きなステージで、勇壮な甲冑姿の武士や美しい着物姿の腰元が将棋の駒となり対局(将棋を行うこと)をします。その様子はまるで戦国絵巻のようです。天童の春を彩る一大イベントとして、将棋ファンはもちろんのこと、国内外からたくさんの人々が集まります。
駒が並ぶ姿は感動的。プロの棋士による戦い
人間将棋は、戦国武将の格好をした役者が登場するところから始まります。東軍、西軍の大将が互いに刀を持って戦いますが、なかなか勝負がつきません。ならば将棋で勝負をしようということになり、武将や腰元の衣装に身を包んだ〝駒〟が登場します。駒が将棋盤の上にそろった様子は見応え抜群。この駒武者たちは事前に抽選で選ばれた人たちで、実際に対局(将棋を行うこと)をするのは衣装を身につけたプロ棋士。一局ごとに櫓の上の太鼓が鳴り、棋士たちが戦国武将のような口調でやり取りをし、会場を盛り上げます。別のプロ棋士が対局(将棋を行うこと)の様子を分かりやすく解説してくれるので、将棋に詳しくなくても十分に楽しめます。
祭りを盛り上げるさまざまな催しも実施
天童桜まつり人間将棋は、毎年4月下旬の土・日曜の2日間行われます。祭りのメインは人間将棋ですが、その前後にも、将棋供養祭や地元の子供たちによる太鼓などの演奏、神輿渡御、プロ棋士と試合のできる「天童百面指し」といった催しも実施されます。日曜には、天童の特産品である将棋駒をあしらったバチを手に持って、優雅に舞い踊る天童花駒踊りが人間将棋の前に披露され、会場をより華やかに盛り上げてくれます。
帰りには、ライトアップされたしだれ桜を見物
満開の桜の下、甲冑を身につけた武将や鮮やかな着物を着た腰元らが駒となって将棋盤の上を動くさまは華やかで見る価値があります。人間将棋を楽しんだあとは、場所を移動し、しだれ桜の見物を。市内を流れる倉津川の両岸、約1.4㎞にしだれ桜の並木が続きます。辺りが薄暗くなるとライトアップされ、幻想的な雰囲気に。祭り期間中は歩行者天国になり、この桜を観賞しながらゆっくりと散策ができます。人間将棋の余韻にひたりながら、天童の春を満喫しましょう。
祭り・イベント名 天童桜まつり人間将棋
開催日時 4月下旬の土・日曜
開催場所 天童市舞鶴山山頂
電話番号 023-653-1680(天童市観光物産協会)
アクセス 人間将棋両日は市内各所から舞鶴山までのシャトルバスを運行
URL http://bussan-tendo.gr.jp/