祭り・イベント名:大内宿雪まつり
県名:福島県
エリア名:下郷町

冬ならではの風情が感じられる雪まつり

夏から秋にかけて観光客が多く訪れる大内宿ですが、冬もまた風情があります。白銀に覆われた山間に建ち並ぶ家々、茅葺き屋根にこんもりと積もった雪、家の前に作られたかまくら、すっきりと澄み渡る空気。まるで昔話の世界に紛れ込んだかのようです。雪景色の大内宿のよさをもっと多くの方に知ってもらおうと、今から約30年前から行われているのが「大内宿雪まつり」です。よさこい、神楽、時代風俗仮装大会にそば食い競争など、さまざまな催しが企画されています。

温もりと美しさ。雪灯篭と冬の花火

雪まつりの土曜日夕方から行われる「御神火戴火」。これは下帯姿の男衆が、高倉宮が祀られている高倉神社の祭壇からいただいた御神火で、各家の前に作られた雪灯篭に家内安全を願い火をつけていくもの。明かりが灯るたび、少しずつ幻想的な雰囲気に包まれていきます。その後には、花火大会も実施。遮るものがない澄んだ冬の夜空に、盛大に打ち上げられる花火の美しさは格別です。終わった後の静けさと江戸宿場の夜の町並みが、なんともいえない風情や味わいを残します。

名前の由来は、平安時代の宮様のひと言

茅葺き屋根の古い町並みが残る大内宿は、伝説とロマンが息づく町。江戸時代に宿場町として栄えたことで知られていますが、大内という名前にも伝説があり、その由来は平安時代末期(1184年頃)まで遡ります。後白河天皇の第二皇子であった高倉宮以仁王が、武士の一派である平家との争いに敗れて、都から北の地へ落ち延びてきました。20人ほどの供を連れて当時山本村と呼ばれていたここに立ち寄り、里の様子が都の住まいである「大内裏」に似ていると述べたことがきっかけで、それ以降「大内村」と改められたと伝えられています。

 

宿場町として大いに栄えた江戸時代

江戸時代に入り、大内村は下野街道沿いの宿場町のひとつとなりました。下野街道とは、会津城下と現在の栃木県日光市である下野の国を結ぶ全長約130㎞の道。会津藩主の江戸参勤や物資の運搬をはじめ、会津藩と友好関係にあった米沢藩や新潟県の新発田藩なども利用していた街道でした。ここ大内宿は、1640年ごろに整備されたのではないかといわれています。当時は宿場町として多くの人々が往来し、大変にぎわっていきました。

村人によって守られ続ける宿場の景観と暮らし

近代に入り、多くの宿場町が開発のためにその姿を失っていく中、交通路の変化で開発を免れた大内宿。村の保存に関しては、賛成と反対に意見が割れたときもありましたが、当時の町長や大学教授などの説得があり、1981年に国の重要伝統的建造物群保存地区の指定を受けました。現在では、年間約80万人の観光客が訪れるように。村では住民憲章を作り、宿場の景観を未来の子供たちに引き継いでいくため、「売らない・貸さない・壊さない」の3原則を守っています。

祭り・イベント名 大内宿雪まつり
開催日 2月第2土・日曜(時間はイベントにより異なる)
開催場所 下郷町大内宿
電話番号 0241-68-3611(大内宿観光案内所)
料金 見学自由
アクセス 会津鉄道湯野上温泉駅下車、タクシーで約15分
URL http://ouchi-juku.com/