施設名:山形県郷土館「文翔館」
県名:山形県
エリア名:山形市

日本で2番目に古い旧県庁舎の時計塔

街のあちこちに、明治・大正期に建てられた建築物が残る山形市街。そのなかで、江戸時代から続く町名が今も残る山形市旅篭町エリアには、重厚な姿がひときわ目を引く山形県郷土館「文翔館」があります。1916年築で、1975年まで県庁舎、県会議事堂として使われていた英国近世復興様式の建物は、 国の重要文化財に指定されています。

建物のシンボルでもある旧県庁舎の時計塔は、日本で稼動している塔時計のなかで北海道の「札幌市時計台」に次ぎ2番目に古いもの。現在も5日に一度、時計職人が振り子を動かす分銅を手動で巻き上げ、時を刻み続けています。

大理石の柱と手すりの彫刻が見事な中央階段室

豪華な内装も大きな見どころです。旧県庁舎の館内へ進むと、まず目に入るのが大理石の柱と3階へと続く大きな階段。踊り場にはステンドグラスがあり、月桂樹の葉の輪飾りがデザインとしてあしらわれています。また、景色が波打つように見えるガラス窓も、建築当時のものです。
ほかにも、階段の手すりを支える柱の繊細な彫刻、端正な漆喰塗りなど、注目すべき美しい意匠はたくさん。日本ならではの仕事の丁寧さに目を見張ることでしょう。

職人技を尽くした豪華な内装が見どころの正庁

中央階段を昇ってすぐの場所にある正庁は、現在でいう講堂にあたる部屋で、訓示や辞令交付、重要な会議などで使われました。特に華やかに造られたという内装は必見。繊細な漆喰飾りを施した天井は、花びらの1枚1枚まで復原されたもの。山形のシンボルでもある紅花やサクランボの意匠も隠されています。
南側にはバルコニーが設けられ、床に貼られた黄と赤のタイルが色鮮やか。天候のよい日には開放されており、山形の街並みを一望できます。

舞踏会場を思わせるクラシックな旧県会議事堂

旧県庁舎と渡り廊下でつながる旧県会議事堂は、議場として使われていた部屋ですが、県議会がない時は講演会や演奏会のために開放され、現在もクラシックコンサートなどの会場として使われています。円弧を描く天井が復原され、広々とした館内はクラシカルな舞踏会場のよう。建物の正面には噴水やベンチが設けられ、市民の憩いの場となっています。

施設名 山形県郷土館「文翔館」
所在地 山形県山形市旅篭町3-4-51
電話番号 023-635-5500
開館時間 9:00~16:30
休館日 第1・3月曜(祝日の場合は翌日休)、年末年始
料金 無料
アクセス JR山形駅からベニちゃんバス中心市街地行きで10分、市役所南口下車、徒歩8分
URL http://www.gakushubunka.jp/bunsyokan/