施設名:海馬ガラス工房
県名:宮城県
エリア名:仙台市

さまざまな砂を溶解しガラス工芸品へと変える

宮城県仙台市の奥座敷として知られる秋保温泉。「海馬ガラス工房」は、秋保温泉街から自然いっぱいの森へ向かった長袋地区にあります。1996年にこの地に工房を設立したのが、今やガラスアートの先駆的存在として世界中から注目を集める村山耕二さん。のどかな秋保の地で、シンプルな器をはじめ、オブジェや照明ガラスなど、精力的に作品づくりをしています。

素材研究から始まる村山さんのガラス工芸品づくり

村山さんの作るガラス工芸品は、シャンパンゴールドの「白瑠璃」と淡い緑色の「サハラガラス」の2種がよく知られています。モロッコ大使館などの協力によって入手したサハラ砂漠の砂をそのままガラス素材とし、人工的な着色を一切行なわない技法は、世界初の試みでした。この技法を生かし、広瀬川の砂を使い、濃い緑がかった茶褐色の「仙台ガラス」を作ることにも成功しています。

3000種以上のガラス工芸品を作り続ける

幅広い仕事を手がけてきた村山さんは、これまでに3000種以上にもおよぶ作品を手がけています。そのなかには、サハラガラスの功績が認められモロッコ王室へ献上した作品、羽生結弦氏に贈られた「仙台市観光アンバサダー」任命盾の制作などがあります。村山さんは、2013年には「NIPPONの47人 2013CRAFT」にも選ばれました。

村山さんの作品づくりは多種多様ですが、素材の本質を掘り下げ、どのようにガラス工芸品へと昇華させていくかという点で多くの共通項が見られます。大地と向き合うその骨太な仕事ぶりが、国内のみならず世界からも注目を集めています。

蔦が這う工房は小さなショップも兼ねている

「海馬ガラス工房」の建物は、夏は青々と茂る蔦に覆われます。工房の一角に小さなショップがあり、そこで村山さんの作品を実際に見て、触れて、購入することができます。コップやグラス類が多いですが、大きな花瓶や果物皿なども販売。それぞれの土地の砂の輝きを宿す、村山さんの作品を間近で見られるのも、この工房の魅力です。一度足を運んで、村山さんのガラス工芸品に触れてみましょう。

施設名 海馬ガラス工房
所在地 宮城県仙台市太白区秋保街長袋舘山原23-1
電話番号  022-399-2828
開館時間 10:00~17:00
休業日 水・木曜
アクセス 東北自動車道仙台宮城ICから車で30分
URL http://www.kaiba.org/