松尾芭蕉が歩いた「おくのほそ道」のスポットを訪ねる旅
旅の日程
1日目 仙台駅→矢部園→すし哲→松島→平泉→大沼旅館宿泊
移動距離 約205km
2日目 東鳴子温泉→最上川舟下り→山寺→游水亭いさごや宿泊
移動距離 約240km
3日目 湯野浜温泉→羽黒山→アルケッチァーノ→注連寺→月山→おいしい庄内空港
移動距離 約170km
【1日目】日本三景に数えられる松島から世界遺産・平泉へ
伊達政宗が築城した仙台城跡に復元された隅櫓
戦国時代に東北を制覇した武将・伊達政宗が開いた仙台。かつての城下町は、現在、人口100万人を超える東北最大の都市になっています。伊達政宗の騎馬像のある仙台城跡や、墓所のある瑞鳳殿など、政宗ゆかりの地を訪ねたあと塩竈へ。
東北一の格式のある鹽竈神社のある塩竈では、ユニークなお茶体験で、おいしいお茶をふるまってくれる矢部園へ立ち寄ってみましょう。その後、寿司の名店として知られるすし哲でのランチもおすすめです。塩竈からは、江戸時代に活躍した俳句の名人・松尾芭蕉が訪ねた松島へ向かいます。
美しい松島湾の夕景
江戸時代のはじめ、全国を行脚した儒学者・林春斎が卓越した景観として、広島の「宮島」、京都の「天橋立」、そして宮城の「松島」を日本三景としたのが、日本三景の始まり。青い海に浮かぶ松が生い茂る島々の姿は、松尾芭蕉も大きく感動したことでしょう。瑞巌寺や五大堂など、伊達政宗が再建した歴史的建造物も見られます。また夏はアナゴ、冬はカキといった海の幸が豊富なことでも有名です。
松島からは岩手県の平泉へ向かい、世界遺産にもなっている中尊寺や毛越寺を見学。東北有数の史跡にふれたあと、旅の疲れは名湯・鳴子温泉郷のひとつ、東鳴子温泉の大沼旅館で癒してください。
【2日目】最上川舟下り&山寺を松尾芭蕉気分で行脚する
最上川の河岸を流れる滝を見ながら舟は下る
鳴子温泉郷からは国道47号を山形方面へ向かいます。連なる山々と広がる田園風景は、松尾芭蕉が通った江戸時代とあまり変わらないのどかなものです。「五月雨を集めて早し最上川」という松尾芭蕉の句でおなじみの最上川は、日本三大急流にも数えられる大河。ここでは、山形県戸沢村に発着場のある舟下りを体験してみましょう。船頭さんの朗々たる舟歌を聴きながら進む約12kmの舟旅は、悪天候時以外、年中無休で運航しています。
山寺の五大堂からは、里の絶景が見晴らせる
山寺は慈覚大師が開いたとされる天台宗のお山で、正式名称は「宝珠山立石寺」といいます。険しい山の断崖にいくつものお堂があり、いつの頃からか「山寺」と呼ばれるようになりました。山寺を訪れた松尾芭蕉は「閑さや岩にしみ入る蝉の声」という名句を詠んでいます。急峻な階段を登ってたどり着く山頂近くにある五大堂からは、山寺随一の絶景が楽しめます。
【3日目】神秘の山・出羽三山を巡り庄内空港から帰路へ
羽黒山にある国宝五重塔
羽黒山・月山・湯殿山の総称が出羽三山で、その開山は今から1400年以上前と伝わります。古くから修験の山として知られ、現在でも修行を積む山伏の姿が見られます。荘厳な杉が連なる参道には、平安時代に建立された国宝の五重塔が建っています。
羽黒山を下山しタラバガニ、ランチには庄内の旬食材がたっぷり味わえるイタリアン、アルケッチァーノで食事。そのあとには、即身仏で知られる湯殿山麓にある注連寺、そしてブナの原生林や高山植物などが見られる月山へ向かいましょう。